ペプシノゲン法を住民検診に導入した成績

高崎市医師会 吉川 守也 

昨今、X線法による胃がん検診の受診者が固定化し、受診者数も低迷している。高崎市医師会は、新規受診者を掘り起こす目的で、ペプシノゲン法検診と大腸がん検診(免疫便潜血二日法)をセットにした住民検診を1996年に導入した。従来のX線法検診(間接および直接X線法)は並行して施行し、受診者が希望に応じてどちらかを選択できるようにした。表1に示すとおり高崎市のX線法による胃がん検診受診率は1995年まで7%台を推移し、群馬県内市町村でも最下位であった。ペプシノゲン法を導入した結果、X線法受診率はさらに減少して1999年は4.1%に低下したが、その後も約4%で横ばいとなっている。一方ペプシノゲン法受診者は漸増し2001年には受診率15.7%になった。ペプシノゲン法を導入した結果、X線法受診率とペプシノゲン法受診率を併せた胃がん検診受診率は20%に近づき受診者も14,000名になろうとしている。また発見胃がん数も1999年を除けば(2001年度は集計途中である)2倍以上となっている。胃がんを一例発見するのに必要な費用もペプシノゲン法はX線法の約半分であった。またペプシノゲン法で発見された胃がんは早期で悪性度の低いものが多い傾向があることがわかった。

大腸がん検診受診率、発見大腸がん数も飛躍的に増加

高崎市ではペプシノゲン法を大腸がん検診とセットで導入している。高崎市医師会は行政から全面的な委託を受け、1996年度より大腸がん検診を開始した。委託前の1995年度以前は受診率1~2%であった大腸がん検診受診率を医師会員の努力により7倍増の14.9%にまで増加させ、また発見大腸がん数も5~6倍以上になった。住民検診における地域医師会のはたす役割の大きさに医師会員も驚いている。

ペプシノゲン法陰性胃がんに注意

ペプシノゲン法を地域住民検診に採用した結果を簡単に報告した。しかしペプシノゲン法陰性胃がんが存在することは無視できない問題であり、陰性胃がんの存在を受診者によく理解していただいた上で、ペプシノゲン法を受診してもらうことが重要である。当医師会としては陰性胃がんを見逃さない有効な手段・方法を考慮した効率の良い胃がん検診法を、厚生労働省研究班と協力して現在検討中である。