ペプシノゲン法の具体的実施方法

広島大学保健管理センター 吉原正治 

ペプシノゲン法の具体的な方法についてご説明します。
ペプシノゲン法では、血液中のペプシノゲンの値を測り、その値で胃粘膜の状態を判定し、低下していれば胃粘膜の萎縮と診断し、精密検査をお勧めします。
<ペプシノゲン法の基本的方法>
  1. 採血を行い、血液中のペプシノゲン値を測ります。
    採血は絶食でなくともよく,午後でも可能です。
採血量は少量でよく、他の血液検査と一緒にできます。
  2. ペプシノゲン値が一定の値よりも低下していれば、内視鏡検査による精密検査をお勧めしますので、受診してください。
<詳しい説明と注意点>
  1. ペプシノゲン法の対象
    胃癌検診は,まず40歳以上が対象ですが、被曝等のリスクもないことから、さらに若年の方や妊娠の可能性のある女性も受診できます。
  2. ペプシノゲン法に適さない状態があります。
    下記のような方の場合には、病院で詳しい検査を受けた方がよいと思われますので、病院をご受診いただくか、既に受診中のかたは主治医にご相談下さい。
      1) 明らかな上部消化器症状のある方
        胃や十二指腸の疾患が強く疑われる症状(例えば、みぞおちの痛み、嘔吐、血便、体重減少など)では健診を受けるよりも、最初から病院で精密検査を受けた方がよいと思われます。
      2) 食道,胃,十二指腸疾患で治療中の方
        現在、食道,胃,十二指腸疾患で治療中の方は、主治医にご相談下さい。
      3) 胃酸分泌抑制剤服用中の方
        胃酸分泌抑制剤の中で、プロトンポンプ阻害剤(抗潰瘍薬として胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎で用いることがあります)を、内服中の方は、ペプシノゲン値が高くでますので、正しい判定ができません。
      4) 胃切除後の方
        胃を手術で切られた方は、ペプシノゲン値が低くでますので、正しい判定ができません。
      5) 腎不全の方
        腎機能不全の方は、ペプシノゲン値が高くでますので、正しい判定ができません。
  3. ペプシノゲン法の判定について
      1) ペプシノゲン法では、ペプシノゲンI(PGI)の値とペプシノゲンII(PGII)を測定し、低下していれば、萎縮性胃炎があると判定します。
      2) ペプシノゲン法の判定は、約80%の方では5年くらい変化しません。
      3) ペプシノゲン陽性者は以後も陽性が続くことが多いため、定期的に病院で精密検査を受けることが望ましいとされています。
  4. レントゲン検査も受診された方
    ペプシノゲン法とレントゲン検査(バリウム検査)による胃癌検診も受けられた方は、どちらか一方でも、精密検査の判定がでましたら、内視鏡による精密検査をお受け下さい。
  5. リスクマネージメント
    健診では100%のことは言えませんので、結果にかかわらず、具合の悪い方は病院で、詳しい検査を受けられることをお勧めします。